旧軽井沢インフォメーション |
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軽井沢彫り 今回は、80有余念の歴史を持つ軽井沢彫りに焦点をあててみたいと思います。見るだけでも美しい軽井沢彫りですが、その歴史を知ると、さらに軽井沢彫りの味わいが広がります。日本全国、外国の名前がついた観光地や、なんとか村の類はたくさんあります。けれども、軽井沢がそういう観光地と大きく違っている点は、軽井沢が西洋の雰囲気を持つだけでなく、そこに、外国と関わってきた長い歴史があるからではないでしょうか。 ハンドバック 外国人が夏を軽井沢で過ごすようになった明治中期、当時の日本では珍しかった海外の生活様式がたくさん軽井沢に持ち込まれるようになりました。宗教、言葉、食事、スポーツ・・・。外国人との接触の中で、外国の商品や文化がそのまま輸入されることは、今でもよくあることですが、外国文化と日本の伝統技術が結びついて、新しい芸術が生まれるというのは、非常に珍しいパターンなのではないでしょうか。軽井沢において、西洋と東洋の、幸福な出会いがありました。それが軽井沢彫りです。
大坂屋家具店の外観 明治の中期、避暑にやってきた外国人達が使っている、見慣れない西洋家具に目をつけた人物がいました。大坂屋家具店の初代店主、川崎己次郎です。川崎は日光から日光彫りの職人を招き、美しい彫刻をほどこした西洋家具(タンスやテーブル)を作り始めました。はじめは、日光彫りの影響から、牡丹や菊の一輪花彫りが多く彫られていました。が、新たなデザインを模索するうち、桜の木全体を彫った家具を販売すると、この日本的なデザインが外国人に大人気。そうして、桜は軽井沢彫りの代表的なモチーフとなりました。やはり、桜は今も昔も、日本を象徴する花なのですね。
シュガーポット 軽井沢彫り家具の製造は、昔から、分業制がとられています。部材を加工し家具に組み立てるのは「木地師」の仕事。「木地師」が組み立てた家具は一度分解され、彫りをほどこす部分は、「彫り師」に託されます。 そして、彫り上げた木を「塗り師」が塗装・研磨し、最後に再び「木地師」が組み立てて製品にするのです。 軽井沢彫りでもっとも難しい技術は「ひっかき」といわれる細い線彫りです。花びらの中のおしべや葉っぱの葉脈などを表現します。道具は特殊な彫刻刀を使い、手前に引っかくようにして彫ります。通常の彫刻刀は押し出して木を彫るので、普通と逆ですね。 桜模様 仕上げの「星打ち」も軽井沢彫りの特徴の一つです。絵柄の背景に細かい点模様をほどこして絵柄をより際立たせるのです。ひっかきや星打ちによって、可憐な桜の花々を表現していきます。桜の樹木全体を題材とする大胆な絵柄でも、花びらの一つひとつは繊細な彫りで表現されるところが、軽井沢彫りの最大の魅力なのです。
軽井沢彫りの家具は、釘をほとんど使わず、はめ込み式で作られています。このため、簡単に家具を分解して、海外に輸送することが可能でした。軽井沢で過ごした外国人達は、自国に持ち帰った軽井沢彫りの桜を見る度に、日本を想い出したことでしょう。
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