はじめに 小論集 文化と自然1 文化と自然2 文化と自然3 文化と自然4 風土博物館
■文化と自然4

081.花開く“草莽の文化”
082.的岩を訪ねる
083.コメコメについて
084.トックリ穴の洞窟
085.信州街道の中の嬬恋
086.潤いを求めて
087.田代牧場のこと
088.環境教育について
089.信州加澤郷薬湯縁起
090.鬼岩を訪ねる
091.石樋を訪ねる
092.いのち・家族の学習
093.西窪城に想う
094.舞台公演される“浅間”
095.大前村のこと
096.三原三十四所観音札所
097.三間取りの家
098.嬬恋にあった巨大な湖
099.よみがえった延命寺
100.噴火予知への試み
101.ロウ石山”を訪ねる
102.吾妻鉱山について
103.石津鉱山を訪ねる
104.嬬恋村の近代化遺産
105.キャベツ栽培の展開
106.終わるにあたって

■サイトマップ
■リンク
■トップページへ戻る

シリーズ嬬恋村の文化と自然4

平成10年5月11日 『上毛新聞』「三山春秋」より

 《シリーズ嬬恋村の自然と文化》と題して、村の広報紙に執筆連載を開始したのは、山麓で寝起きをするようになつて2年後の96年6月号から。その第1回では、鵺の異名で古典にもしばしば登場するトラツグミなど鳥の話が、新鮮な驚きとともに記された。

 2回目以降も考古学研究者らしく、村内に埋もれた歴史や文化、自然の生態を掘り起こし、エッセー風に分かりやすく解説している。止血剤や染色などの薬品に用いられる明礬の一大産地であったことや、全国に先駆けて馬鈴薯の栽培を開始したことなど、江戸時代の意外な事実を紹介。

 中でも興昧深いのが”幻の織物”の話。木綿が普及していなかったころ、村ではシナの木の皮からとった繊維で糸を紡ぎ、布を織ったり編み物をしていた。いまも名残の木が資料館近くにあり、復活させて村の特産品にしようという試みが、松島館長を中心に盛り上がる。

 15日発行の5月号で連載も24回目。「郷土の再発見に役立つ」と好評で「4、50回になったら本に」といった声も出始めた。800字足らずの小さなコラムが、浅間山麓の文化発信に大きく貢献している